別のページでも言い訳したけれど今年は夏以来妙にあたりが慌ただしくて、基本的には「忙しい」と言わない方針で暮らしているのだがついついそう口にしてしまいたくなる。誰かに迷惑をかけるわけではないのだが、ぼくとしてはいささか困った今日この頃なのである。 という言い訳をもってこのフォトダイアリーも8月から一気に11月号にジャンプしてしまうのであります。もし見てくれる人がいたら、そのような北の空の下の事情だと思っていただきたい。 ●お庭の池で魚釣り 多忙多忙と言いながらいきなり魚釣りというのもなんだが、、実はこれ必ずしも楽しみでやっているわけではない。もう10年も前のことになるが、あるテレビの番組で川で魚釣りをする場面の撮影をした。その時に釣った魚をよせばいいのに池に放してしまった。フナやウグイはやがて姿を消したが、チチブとかヨシノボリのようなカジカ科の魚がしぶとく繁殖して池を我が物とするようになった。貪欲なこの連中は生き物ならなんでも食べてしまうから、水生昆虫にとっては大敵になる。ぼくの好きなトンボたちも池を繁殖場所にできなくなりそうだ。そこで連中を退治する作戦を実行、64匹を釣り上げてやった。 ●庭の新メンバー、タヌキくん ことさら敷地内と外を区別する必要もないと分かってはいるのだが、それでも領土内に新種を見つけるとちょっと嬉しいのですね。タヌキは村のあちこちにいる生き物で、夜の道路なんかで結構見かけるし、時として車に敷かれたかわいそうな姿があったりする。トウモロコシをかじる、とかの理由で農家の人は嫌うみたいだが、もちろんぼくはタヌキの味方だ。アライグマ捕獲の檻にタヌキが入るとそれも殺す、という村の処置には断固抗議してきた。そのタヌキくんが白昼堂々我が庭に登場したのは、サクランボの落下を食べるためだった。室内から眺めてなにをしてるのか不明だったが、後で行ってみてそれが判明した。熱烈歓迎タヌキくん! ●新ベリー園に大活躍のふたり組 道路沿いの農地2ヘクタールはもともとは羊や牛の放牧地で、周囲一周にフェンスが張ってあった。その一部を使ってブルーベリーの鉢栽培を試みてきたのだが、今回方針を新しくして全部をベリー園として再開発することにした。昨年は重機を使って牧草を掘り起こし、今年は春からひたすらトラクターで起耕した。次に測量をしてベリー類の配置を決め、植えつけ列ごとの土壌改良をする。黒土を入れ、堆肥を入れ、支柱を打つ、言葉でいうと簡単だが、なにしろ広いし数も多い。この大変な作業に大活躍してくれるのが写真のふたり組だ。今や番頭さんのカマタ君と毎年手伝ってくれる桜間さん、タフなふたりに感謝! ●秋の日差しを浴びてくつろぐ、どこまでもくつろぐ あたりの山が紅葉を始める頃になると太陽の傾きが大きくなり、するとサンウィングに差し込む日差しが多くなる。夏のような熱気もなく、それはとても心地よい日差しなのである。お昼ご飯が終わるとこの部屋にやってきて、ひとわたり紅葉など眺めつつ休憩する習慣になっている。ネコのチリがひとりここにいるので彼女のためでもあるのだが、なに本人はそんなことなんとも思っていない。少なくとも慰問をありがとう、なんていう態度は少しも見せない。高慢不遜のネコに較べると犬っていうのはなんていいヤツなんだろうと時々思う。ふたりは絶えずこっちを見ていて、ひと声かければいつだって飛んでくる。 ●秋の日にもの思う、ということは金輪際ないチリ選手 早いものでチリももう8ヶ月になった。体重も3キロになりほとんど大人に見える。何にでも飛びついて走り回る子猫からやや落ち着いた若ネコになり、毎日の日課も多少は覚えたようだ。食事はカリカリと挽肉の両方だが、犬のように両者を混ぜるのではなくて、時間差であげるようにしている。特に文句はなさそうだ。というより、どうもあまり食べ物にこだわらないみたいだ。それでも海苔とかカツ節とかが好きみたいなので、時々空中から落下させて遊んでいる。最近分かったのだが、犬は心の交流を楽しむ生き物で、ネコは姿行動を見物して楽しむ生き物なのだ。きっとそうだ。 ●ギン・アンの生家、國友英子さん来訪 スタンダード・プードルのブリーダー、大阪の國友さんと友人の楢木野さんのおふたりが遊びに来られた。札幌に子犬を届けにきたのだそうだ。このフォト日記で「ランは全然大きくならないで期待外れだ、もう返品だ!」というようなことを言っているので、それを大変心配されているご様子で、何度も申し訳ありません、とおっしゃる。いやいや半分は冗談ですよ、と答えると残りの半分は本気みたいだが、いまやランは大切な家族の一員だし、その独特なキャラクターが愛されている。そんなこんなの犬話をしていると、用もないのにことさらに前を行き来するチリがとてもおかしいのであった。 ●アリス・ファームの未来は木沢頭領の活躍にかかっている いずれちゃんと報告しなくてはならないのだが、現在取り組んでいる「新ベリー園」の建設で、木沢頭領が大活躍している。頭領は彼がまだ18歳、高校を卒業したての頃からのつきあいで、アリス・ファームにも長い間在籍していた。札幌で独立自営で建築をやっているのだが、今回その彼に建物をお願いした。木造の温室30坪と同規模の木造倉庫、それにカフェの増築もある。農地の転用に時間がかかったので雪が降る季節になってようやく躯体を立ち上げることになった。大忙しだが札幌の中村大工さん(写真左)の馬力でなんとか年内には完成しそうだ。 ●間違いだらけの車選び(その4)・・・原点
今からおよそ40年ほども前、ぼくがまだ30歳の頃の写真だ。写真左はボルボのPV544、右はアマゾン、どちらも今になっては大変なクラシックカーだ。PVは東京の写真家大西公平さんから、アマゾンは富山の木工家柿谷誠さんから譲ってもらったものだ。あえて言うならボルボの古典的名車のそろい踏み。その後アマゾンは友人に譲ったが、PVは家財道具を積んで北海道まで引っ越してきた。15年程前に雪で倉庫が崩壊し、その時この車も犠牲になった。涙のお別れであった。手に入るなら今でも欲しいふたつの車だ。ちなみに犬はその頃飼っていたアフガンハウンドで、この頃から変わらず車と犬はぼくの大事な伴侶だ。 今年はなにかと建築土木作業が多くて、「工事の夏」から「工事の秋」へと
目まぐるしい毎日です。 その影響もありまして本ページも中々更新しないまま とうとう11月になってしまいました。 そんなこんなの事情とはまったく無関係にあたりには今年も 見事な秋の光景が展開しました。 そして一年で一番もの悲しい風景の11月に入ります。 工事は雪との追いかけっこ、年内には新ベリー園の建物が形になる予定です。 |
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2月 2024
ご案内「藤門弘の北海道フォト日記」は夢枕獏さんのホームページ『蓬莱宮』にも転載されていますので、そちらもごらんください。 |