いつものように雪のお正月。 12月にパプアニューギニアに行って、帰国後建築工事の最後の追いこみに参加し、そのままあわただしく新年を迎えることになった。有巣、仁木とも勤務の都合があって、残念ながら全員集合ができなかった。両者別に帰宅して、それぞれと年越しそばやおせち料理を食べたりすることになった。 まずはめでたい新年、今年もいい年だといいのだけれど。 ●チリ子ちゃんの手術 昨秋、チリが避妊手術を受けた。メスネコの避妊は婦人科系泌尿器系の病気を予防することが主な目的で、犬の場合と同様だ。これまでの犬たちで、乳腺や子宮の病気はかなり多かったから、最近はほとんど全部に同様の手術をしている。ぼくはワクチン接種には懐疑的だから、獣医に行くのはこの避妊手術のことが多い。札幌市に住む仁木から紹介された獣医さんを訪ね、チリはひと晩入院して帰ってきた。全身をネット包帯で包まれたので、妙に頭でっかちでその姿がおかしい。さすがに強気のチリもなんだか少し気が弱くなって、ミャオなどと小さな声で鳴くのであった。 ●工事に参加、「飾り破風」を作る 新ベリー園に3棟の建物を工事中だが、どこかに記念の手の跡を残こそうと思って、納屋の「破風」を担当した。破風というのは屋根の妻面につける部材で、それなりに目立つ存在だ。この納屋はデザインを北欧風に設計していて、木の壁は赤く塗る予定。「ファルン・レッド」といってスウェーデンで採れる赤の鉱物顔料の色だ。壁の赤に窓やドア枠の白がくっきりする木造建物で、これまでにもドロームなどに作ってきた。破風の曲線はスウェーデンからきた菜園の納屋と同じで、ジグソーで切ってからサンダーで磨いて仕上げた。4メートルの板を4枚仕上げるのに3日間かかった。きっと「レッド・バーン」を見事に飾るだろう。 ●ギンちゃん床屋にチリが参加する 全身包帯から解放されたチリ選手は元気いっぱいで、いつも目を思い切り見開いて暮らしている。おもしろいのは犬床屋さんが好きなことで、ギンやランの床屋を始めると、必ず台の上に乗って作業に参加する。バリカンから次々と毛が落ちてくるのだがそれが自分の頭に乗っても意に介せず、ひたすら作業を見守るのだ。時として写真のように手を伸ばして、ちょっと手伝うような素振りを見せたりする。犬の床屋さんは少なくとも1時間はかかるのだが、その間中ずっと台から降りない。そんなこんなですっかりわが家になじんだチリだが、彼女には一緒に暮らす仲間が必要なのではないか、そう思うようになった今日この頃である。 ●仁木一家とお正月 いつもなら万障繰り合わせて全員集合するのだが、今年はどうしても有巣と仁木の休日が揃わなくて、有巣が年末、すれ違いで仁木が新年という具合になった。有巣と年越しそばを食べ、仁木たちとおせち料理を食べるのだった。仁木家は次女のあきちゃんが産まれて4人家族になった。家に帰るとネコが1.5匹いるらしいから、大家族だ。(ネコは1匹ともうすぐくる子猫)。 仁菜ちゃんは5歳になって読み書きができるし、絵もすごく上手だ。伝統的に絵が下手な家族にあって、もしかしたらそれを打破するのかも知れない。昨秋から思いつく度に皆さんへのクリスマス・プレゼントを買っていたのだが、大箱から取り出してみれば仁菜用がすごく多くて、彼女はプレゼントの山に埋もれるのであった。 ●ランちゃん犬ぞりに挑戦! お正月元旦は天気がよくて、みんなで外で遊んだ。仁菜がソリにのりたいというので、古い北海道産手作りソリを取り出した。場所は忘れたが道内のどこかで作られていて、おもしろいので東京にあったアリス・ファームの店で販売したことがある。前に引き紐があったので、そばにいたランちゃんにつないでみた。いや全然ダメである。さあ前に走れ!というのに右に左に首を振ってなんとか突然の虐待から逃れようとする。まあ無理もないでしょう。犬ぞりはハスキーとかマラミュート、サモエドみたいな強壮な田舎者の仕事だ。ランちゃんはれっきとしたフレンチ・プードルなんだから、そもそもこんな雪の中で暮らしているのが間違いなのだ。外苑通りとか青山通りとかを歩くのが本来だという点では、外苑中学出身のぼくと同じシティボーイ、シティガールなのである。 ●アキちゃん元気いっぱいでランちゃん困惑
昨春に産まれた仁木家の次女アキちゃんはすくすくと大きく育っている。長女仁菜はごく小さい頃中々むずかしい性格に見えたが、おそらくは両親が子育てに慣れたからだろう、次女になるとすべてがスムースで、赤ちゃんにもストレスが少ないみたいだ。だからよく食べてよく寝て、目覚めると元気に動き回る。犬たちは人間の子供には特別な反応をするのだが、決して赤ちゃんが嫌いではない。写真のランちゃんの表情がそんな犬の態度を表している。ランはまだ2歳だがなんだかずっと以前からいるような気がする。おそらく前のアンの印象が残っているからだろう。ひと言で表せば「ぼんやり犬」ということになるが、その特異なキャラクターが失笑とともに愛されている。 コメントの受け付けは終了しました。
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2月 2024
ご案内「藤門弘の北海道フォト日記」は夢枕獏さんのホームページ『蓬莱宮』にも転載されていますので、そちらもごらんください。 |